新理事長のご挨拶
理事長就任のご挨拶

筑波大学 乳腺甲状腺内分泌外科
教授 原 尚人

この度、一般社団法人日本内分泌外科学会の新理事会におきまして理事長に選任いただきました。大変光栄に存じますとともに、ここに謹んで皆様にご報告申し上げます。

当学会は前身の甲状腺外科検討会、甲状腺外科研究会を含めると54年の歴史を誇る日本甲状腺外科学会と、私の恩師であります故藤本吉秀先生が1988年に設立された日本内分泌外科学会が発展的統合を経て、2019年4月より一般社団法人日本内分泌外科学会として新たな歴史を開始させました。両学会歴代理事長のご尽力をさらに実らせるべく誠心誠意努力する所存でございます。

当学会の未来へ向けて以下の4点につきまして重点的に取り組ませていただきたいと考えております。各々は独立した問題でなくそれぞれを関連付けながら目標に向かっていきたいと思います。

  1. 1) 若手内分泌外科医の育成
    学会の将来の繁栄、世の中への貢献をと考えますと、いかに多くの若い医師たちに入会していただき、専門医へ育て上げ、世に送り出していくかが大変重要な課題であると存じます。そのため若手医師向けの教育システムや、新たな手術を中心とした治療法・診断法の開発に対して、学会を挙げて取り組むつもりでございます。さらにキャリアデザインに幅を持たせるために、2)の子育て支援などを中心とした女性医師支援や、研究・留学などの支援も必要があると感じております。また3)の専門医が重要なポイントとなるのは言うまでもありません。
  2. 2) 女性医師支援・子育て支援、働き方改革
    学術集会への参加にあたり直接的な環境整備はもちろんのこと、オンラインによる参加やオンデマンド視聴、さらに内分泌外科専門医への準備としてのE-learningシステムの導入を考えております。内分泌外科専門医取得の経験期間も単位制を取り入れたカリキュラム制で整備すべきと考えております。
  3. 3) 内分泌外科専門医の盤石化
    「内分泌外科専門医」は外科6サブスペシャルティ領域のひとつとして、何とか日本外科学会と日本専門医機構に正式にお認めいただきました。しかし、連動研修問題では遅れをとりそうな状況でございますが、何とかお認めいただきたいと思っております。また泌尿器科、耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域の中でのサブスペシャルティ専門医としての「内分泌外科専門医」の確立も目指さねばなりません。
  4. 4) 地域格差の是正
    これらの実現には現在社会問題としてCOVID19の状況下で拍車がかかった地域医師偏在対策として積極的な学会による地域教育貢献システムが必要と存じます。

まずは手始めとして、30歳代40歳代の評議員から若手代表として理事を推薦させていただき、将来検討委員会委員長を担っていただくことにいたしました。また女性理事も推薦申し上げ、女性内分泌外科委員会委員長をお願いすることにさせていただきました。さらに国際内分泌外科・アジア内分泌外科での若手優秀発表者にトラベルグランドなどで支援させていただきます。

もとより浅学非才の身ではございますが、発足の際にお手伝いをさせていただいたこの学会に対する思いだけは誰にも負けないつもりでおります。日本内分泌外科学会の発展のため、何卒ご支援ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。